- 国家公務員 一般職(高卒程度)はどんな試験?
- 出題傾向は?
- 合格者はどんな対策をしていたの?
こんな疑問に回答する記事です。
公務員試験の受験は、どこから始めればいいのか、何をすれば効率的なのか、不安と疑問が絶えないですよね。
特に、国家一般職(高卒程度)の試験は幅広い知識が求められ、合格には計画的なアプローチが必要。
専門学校で高卒公務員試験の指導を10年以上してきた経験から得た、合格者が行っていた対策を伝授!
試験の基本情報から攻略法、過去問題の傾向分析まで、合格への近道を詳しく解説します。
時間が限られている中での効率的な学習方法や、面接対策のコツも盛り込んでいます。
- 国家一般職(高卒程度)の出題範囲と傾向
- 試験に合格するためのポイント
- 合格者がやっていた対策方法
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国家一般職(高卒程度)試験とは
国家一般職(高卒程度)の採用試験は、政策の実行やフォローアップなどに関する事務をその職務とする係員の採用試験。
内閣府、厚生労働省、経済産業省などの省庁の職員になるための試験です。
国家一般職(高卒程度)の出題範囲と傾向
国家一般職(高卒程度)試験は、基礎能力試験、専門試験(技術、農業土木、林業)、適性試験、作文試験から構成されます。
出題範囲
基礎能力試験は高校までに習う英語、国語、数学、理科、社会が出題されます。加えて、課題処理、数的推理、資料解釈などの公務員試験に特有の科目が出題されます。
さらに、適性試験や作文試験、人物試験を通じて受験者の適性や人間性も評価されます。
これらの試験は、公務員として求められる広範な能力を総合的に判断するために出題されます。
傾向
国家一般職(高卒程度)は『筆記試験に強く、面接が苦手』という人に向いている傾向があります。
理由は、基礎能力試験の問題はやや難しいけれど、2次試験は合格しやすいからです。
- 大学入試のような細かい知識や難問は出ない
- 学習範囲は広い
- 他の高卒公務員試験よりも難しい
国家一般職(高卒程度)試験では、高校で学ぶ基礎的な問題が出題されます。大学入試で出るような細かな知識や難問は求められません。
難易度は大学入試共通テストよりも低いですが、文系・理系問わず広範な科目から出題されるため、学習範囲は広いです。
基礎能力試験は他の高卒公務員試験と比べると試験問題の難易度が高めです。
2次試験の倍率は低いです。
2次試験受験者数 | 最終合格者数 | 2次試験倍率 | |
2023年度(事務) | 3,071 | 2,538 | 1.2倍 |
2022年度(事務) | 2,863 | 2,341 | 1.2倍 |
2021年度(事務) | 2,668 | 2,187 | 1.2倍 |
2次試験受験者の8割が最終合格しています。
市役所職員や都道府県職員などは低くても2倍。高いところだと4倍、5倍になることを考えると、国家一般職(高卒程度)の2次試験はかなり合格しやすいと言えます。
面接試験の配点比率が低いのも特徴。
他の試験では、面接試験の配点が教養試験の2倍~3倍なのは普通です。
他の試験ではこんな感じの配点比率
埼玉県職員採用試験
横浜市職員採用試験
宮城県警察官採用試験
国家一般職(高卒程度)は面接が苦手な人にチャンス!
筆記試験に強いけど、面接が苦手な人には国家一般職(高卒程度)がおススメです!
試験日程
1次試験は毎年9月の第一週目の日曜日に行われます。
2024年度 試験日程
申込 | 6月14日(金)9:00~6月26日(水) 申込みは、インターネットで |
1次試験 | 9月1日(日) 正答の掲載は9月2日(月)11:00~ |
1次試験合格発表 | 10月3日(木)9:00 |
2次試験 | 10月9日(水)~10月18日(金) 土・日曜日及び祝日は、実施しない予定 |
最終合格者発表日 | 11月12日(火)9:00 |
1次試験と2次試験
国家一般職(高卒程度)試験は、基礎能力試験、専門試験、適性試験、作文試験から構成される一次試験と、二次試験の面接があります。
- 基礎能力試験
- 適性試験
- 作文試験
- 専門試験(技術、農業土木、林業)
- 人物試験(面接)
倍率
倍率は3倍前後です。
国家一般職(高卒程度)は試験区分ごとに採用予定人数が異なります。
そのため、試験区分ごとに倍率が異なります。
1次試験 | 2次試験 | 最終合格 | |||||
受験者数 | 合格者数 | 1次倍率 | 受験者数 | 合格者数 | 2次倍率 | 最終合格倍率 | |
北海道 | 457 | 248 | 1.8倍 | 195 | 172 | 1.1倍 | 2.7倍 |
東北 | 691 | 263 | 2.6倍 | 243 | 190 | 1.3倍 | 3.6倍 |
関東甲信越 | 3228 | 1895 | 1.7倍 | 1686 | 1408 | 1.2倍 | 2.3倍 |
東海北陸 | 415 | 234 | 1.8倍 | 201 | 154 | 1.3倍 | 2.7倍 |
近畿 | 466 | 207 | 2.3倍 | 185 | 172 | 1.1倍 | 2.7倍 |
中国 | 347 | 142 | 2.4倍 | 114 | 105 | 1.1倍 | 3.3倍 |
四国 | 193 | 81 | 2.4倍 | 71 | 61 | 1.2倍 | 3.2倍 |
九州 | 912 | 268 | 3.4倍 | 234 | 205 | 1.1倍 | 4.4倍 |
沖縄 | 337 | 154 | 2.2倍 | 142 | 71 | 2.0倍 | 4.7倍 |
計 | 7046 | 3492 | 2.0倍 | 3071 | 2538 | 1.2倍 | 2.8倍 |
人事院 国家公務員採用情報NAVI 国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)区分別実施状況 2023年度をもとに作成
※倍率は『受験者数÷合格者数』少数第二位を四捨五入で算出
試験に合格するためのポイント
基礎能力試験で1問でも多く取っておく
最終合格者の決定は、1次試験を含むすべての試験種目を合計した得点で決定されます。
つまり、1次試験の結果が最終合格まで影響します。
1問でも多く正解することが最終合格につながります。
他の高卒公務員試験よりも問題の難易度が高い
国家一般職(高卒程度)の基礎能力試験は、他の高卒公務員試験よりも問題の難易度がワンランク上。
警察官、地方初級の過去問では不十分なので、国家一般職(高卒程度)の過去問を使って学習しましょう。
重要科目は現代文、課題処理、数的処理、政治、経済
現代文、課題処理、数的処理、政治、経済は得点源にしやすい科目。
僕が指導してきた過去の合格者は、これらの科目で着実に点数を取っていました。
これらの科目で安定して得点できることが合格のポイント
基礎能力試験は各科目の優先順位を意識して学習することが大切。
現代文、課題処理、数的処理、政治、経済は最優先で学習すべき科目です。
自然科学を捨て科目にしない
実は、自然科学は出題されるポイントが絞られており、対策しやすい科目。
計算問題に苦手意識をもっている方が多いですが、物理・科学でも計算が無い問題が結構な頻度で出題されます。
合格点にわずかに届かなかった受験生は、『自然科学を捨て科目にしていた』という人が多かったです。
逆に、合格者は自然科学をコツコツ勉強して得点できるようにしていました。
自然科学は対策がしやすく、合否を分けるポイントになることも多いので捨て科目にはしないようにしましょう。
時間制限が厳しい
国家一般職(高卒程度)は40問を1時間30分で解答。
これは実際に解いてみると時間がシビアです。実際に解いてみないとこの厳しさはわかりません。
『時間が足りなくて解き終わらなかった』という受験生が毎年います。
基礎能力試験は、前半20問が知能分野、後半20問は知識分野が出題されます。
- 前半20問:知能分野
⇒「考える科目」 - 後半20問:知識分野
⇒「主に暗記系の科目」
前半で悩む問題が出て時間を使ってしまい、後半の簡単な問題で解答できずに終わってしまう受験生をたくさん見てきました。
「簡単な問題だったのに、時間がなくて解答できなかった」ということが無いように、模試で時間配分を確認しておきましょう。
問題用紙は持ち帰り可能
試験翌日の11:00~解答が発表されるので、自己採点できます。
問題用紙に解答を記入しておき、後自己採点できるようにしておきましょう。
面接試験の対策もしっかりやる
基準点に達しない試験種目が一つでもある受験者は、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります。
僕の指導経験で、面接で基準点に達しなくて不合格になるを何人か見てきました。
面接試験はA~Dの4段階評価。
面接試験の基準点はCの評価以上です。
D評価だと一発アウト!ほかの試験が満点でも不合格になってしまいます。
D評価にならないように、面接練習も大事!
面接対策は遅くても8月から始める
1次試験の合格発表の後に面接対策をすればいいと思っていませんか?
その考え方は危険!
面接試験は1次試験の合格発表から1~2週間後。
この期間で面接表を完成させ、面接練習を行うのはかなり厳しいです。
1次試験の合格発表の後に面接対策をはじめると、準備が間に合いません。
8月から少しずつ面接対策を進めていきましょう。
1次試験合格の直後から業務説明会の申込
国家一般職(高卒程度)では、1次試験合格発表の直後に業務説明会の申込が始まるのですが、このことを知らない受験生が多いです。
これを知らないと、『自分が志望する官庁の説明会が気づいたら終わっていた』なんでことも・・・
詳しくは、こちらの記事をご覧ください⇩
国家一般職(高卒程度)試験の対策方法
専門学校で高卒公務員試験の指導を10年以上してきた経験から得た、合格者が行っていた対策を伝授!
基礎能力試験
2024年(令和6)年から『情報』が追加され、人文科学が1題減ります。
基礎能力試験の概要
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験で、高校までの英・国・数・理・社と公務員独自の科目が出題されます。
出題数 | 40題 |
解答時間 | 1時間30分 |
出題形式 | 5択のマークシート |
配点比率 | 9分の4 |
国家一般職(高卒程度)試験では知能科目と知識科目が半分ずつ出題されます。
2024(令和6)年から、「情報」が出題されるようになるので注意!
2023年(令和5)年まで
知能分野(20題) | 課題処理(7題) 数的処理(4題) 資料解釈(2題) | 文章理解(7題) 現代文 / 古文 / 英文
知識分野(20題) | 人文科学(9題) 世界史 / 日本史 / 地理 / 漢字・熟語 / 英文法 社会科学(6題) 政治 / 経済 / 社会・思想 | 自然科学(5題) 数学 / 物理 / 化学 / 生物 / 地学
2024年(令和6)年以降
知能分野(20題) | 課題処理(7題) 数的処理(4題) 資料解釈(2題) | 文章理解(7題) 現代文 / 古文 / 英文
知識分野(20題) | 人文科学(8題) 世界史 / 日本史 / 地理 / 漢字・熟語 / 英文法 社会科学(6題) 政治 / 経済 / 社会・思想 情報(1題) | 自然科学(5題) 数学 / 物理 / 化学 / 生物 / 地学
以下は人事院で公表されている情報(高卒程度)の試験問題例です。
正答
【正答 2】
2023年度の問題を見たい方は、人事院のHPからPDFファイルをダウンロードできます。
\ 人事院のHPから /
優先順位
基礎能力試験は各科目の優先順位を意識して学習することが大切です。
優先順位は出題数、出題傾向、学習成果の出やすさなどで総合的に判断します。
僕の10年以上の指導経験から、国家一般職(高卒程度)の優先順位は以下。
過去の合格者は優先順位を意識して計画的に学習していました。
科目別攻略法
文章理解
文章理解(7題) 現代文 / 古文 / 英文
現代文(4題)Aランク
現代文は非常に得点しやすい科目。4題中、3~4題の正解が狙えます。
学習にかかる労力も低いく、週1回2時間程度の学習で2~3か月で合格点をとれるようになります。
一度、解き方をマスターしてしまえば、学力を維持するのは容易。
週1回、3~4題を解いていれば、現代文の学力は維持できます。
合格者は現代文で確実に点を取っています!
解き方は大学入試の現代文と同じです。
大切なのは、本文中から解答の根拠を探すこと。
4月~5月ぐらいまでに現代文はマスターしてしまいましょう。
古文(1題) Dランク
古文は1題しか出題されないうえに、勉強してもなかなか点数に結びつかない科目。
古文の勉強をするよりも、その時間をAランクの科目の学習時間にしたほうが合格に近づきます。
英文(2題)Cランク
苦手な人が学習して得点できるようになるには時間と労力がかかる科目。
もともとある程度英語ができる人は時間をかけて得点源にしてもいいでしょう。
課題処理
課題処理(7題) Aランク
課題処理という名前だが、中身は判断推理。
高卒公務員試験では最重要科目
課題処理の1問目は命題・論理がパターンほとんど。かなり取りやすい問題。
図形問題は平面図形1題、立体図形1題の合計2題のパターンが多いです。
図形は難しい問題が出ることが多いので、試験本番で図形で時間を使いすぎてしまわないように注意!!
数的処理
数的処理(4題) Aランク
数的処理も合否を分ける重要な科目。
割合、速さ、整数などオーソドックスな分野からの出題。
4題中1題は場合の数・確率が出ることが多く、出題されれば簡単な問題が出やすいです。
場合の数・確率は力を入れて学習しておきましょう!
資料解釈
資料解釈(2題) Bランク
資料解釈は2題しか出題されませんが勉強の成果が出やすい科目で、努力次第で点を取ることができます。
ただ、国家一般職(高卒)試験では、時間に余裕がないので注意が必要。
資料解釈はじっくり考えれば解ける問題がでますが、それだと試験時間が足りなくなってしまいます。
そのため、早く解くコツをつかんでおくことが大切。
資料解釈を早く解くコツは、畑中先生の通称『ワニ本』で学習できます。
自然科学
自然科学は出題されるポイントが絞られています。
自然科学は対策しやすい科目!
生物、地学は特に得点しやすい科目です。
物理、化学は文章題が出されることが多いので、完全に捨て科目にするのではなく、基礎的なことは押さえておいてほかの受験生との差がつかないようにしておきましょう。
数学 (1題)Dランク
計算問題が主。数Ⅰからの出題が多い。数Ⅱからもたまに出題される。数Ⅲはごく稀。
物理(1題)Cランク
物理に苦手意識を持っている方も多いと思います。
ですが、国家一般職(高卒程度)では計算が無い問題が結構な頻度で出題されます。計算問題が苦手でも知識があれば解けるので、文系の方でも対処可能です。
2023年度の物理では以下の問題が出題されました。
化学(1題)Cランク
化学も計算が無い問題が結構な頻度で出題されます。
生物(1題)Bランク
自然科学の中では得点しやすい科目。過去問の類題が出やすい。
地学(1題)Bランク
生物と同様、自然科学の中では得点しやすい科目。過去問の類題が出やすい。
自然科学は世界史・日本史よりも出題されるポイントが絞られています。
実は、苦手意識さえ克服すれば、世界史・日本史よりも得点しやすい科目なんです!
人文科学
2024年(令和6)年以降、人文科学の出題が1題減ります。
どの科目が1題減るかは、今のところ公表されていません。
世界史(2題)Bランク
中国史が頻出!!
国家一般職(高卒程度)以外でも、高卒公務員試験では中国史の出題頻度がかなり高いです。
そのほか、近現代からの出題が比較的多いです。
日本史(1題)Cランク
鎌倉時代~江戸時代、近現代が比較的出やすい傾向。
1問しか出題されないので、勉強に時間を使いすぎないように注意が必要です。
地理(2題)Cランク
地形、気候、文化などが出やすい。
国語(2題)Dランク
漢字、ことわざ、四字熟語などが出題される。
出題範囲が広く、対策がしにくいため過去問と模擬試験の復習だけでOK。
英語 (2題)Cランク
熟語や英文法の問題がでます。
和文英訳も出題されますが、実質は熟語・英文法の問題。
基礎的で重要な熟語・文法が出されます。
社会科学
政治・経済が重要科目。合格者は確実に得点する科目です。
政治 (2題)Aランク
日本国憲法が頻出。
過去問と同じポイントが出題されます。
経済 (2題)Aランク
経済も過去問と似た問題がかなり出ます。
政治・経済の学習のポイントは、こちらの記事で解説しています。
社会・思想(1題)Bランク
社会は労働問題、社会保障、環境問題、国際問題などが出題されます。難易度はそこそこ。
思想は国家一般職(高卒程度)の攻略で盲点となる重要な科目。
思想は1題だけの出題で、しかも必ず出題されるとは限りません!
- たった1題で、出るかどうかもわからないのに、やっておいたほうがいいのはなぜ?
-
他の科目よりも簡単な問題が出やすく、倫理・思想がでれば得点しやすいからです。
倫理・思想は他の科目よりも明らかに難易度が低いです。
人物名とキーワードの対応を覚えておくだけで選択肢が切れる問題も多く出されています。
適性試験
速く正確に事務処理を行う能力についての筆記試験です(出題数 120 )。
出題数 | 120題 |
解答時間 | 15分 |
置換・照合・計算・分類などの比較的簡単な問題を限られた時間内に番号順にできるだけ多く解答するスピード検査。
このような120題を15分で解答します。
採点は「正答数ー誤答数=得点」。
たくさん解いても誤答が多いと低い点数になってしまいます。
速さと正確さの両方が求められる!
はじめの頃はスピードよりも正しく解くことを意識してみてください。
慣れてきたらスピードも意識して解きましょう。
なんども適性試験をやっていると、徐々にスピードも上がってきます。
試験の1か月前からは、毎日1回は適性試験をやることをお勧めします。
作文試験
文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験です。
出題数 | 1題 |
解答時間 | 50分 |
文字数 | 600字程度 |
過去の出題
2023年度 | 誰もが生きやすい社会をつくるために必要なことについて、あなたの思うことを述べなさい。 |
2022年度 | 我が国の社会生活において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比較して大きく変わったことを具体的に挙げ、それについてあなたの思うことを述べなさい |
2021年度 | 物事を継続するために必要だと感じたことについて、具体的に述べなさい |
作文試験は1次試験のときに実施されますが、1次試験の結果には反映されません。
最終合格の結果に、ほかの試験の成績と総合されます。
作文の基本を押さえたうえで、600字で書く練習をしておきましょう。
作文の上達には、添削を受けることが必須です。
少なくとも3回は添削を受けてください。
高校の先生に添削を受けるのもいいのですが、できれば高卒公務員試験を専門としている方から添削を受けた方がいいです。
理由は、高卒公務員試験の作文には独特の傾向があり、大卒公務員の論文試験とも異なるからです。
周りに添削してもらえる人がいないという方には、クレアールのWeb通信講座がおススメ。
リーズナブルな価格で添削回数は無制限です。
人物試験
人物試験は人柄や対人能力などについての個別面接。
面接官3人で、20分程度の面接試験が行われます。
1次試験合格発表の後から面接対策をするのでは遅すぎます。
2024年度 試験日程
申込 | 6月14日(金)~6月26日(水) |
1次試験 | 9月1日(日) |
1次試験合格発表 | 10月3日(木)9:00 |
2次試験 | 10月9日(水)~10月18日(金) |
最終合格者発表日 | 11月12日(火)9:00 |
1次試験合格発表から2次試験までは、1~2週間しかありません。
この期間に面接カードの作成と面接練習を行うのでは間に合いません。
少し厳しいことを言いますが、面接カードを甘く見ている方が多いです。
中には、「面接の前日に書けばいいや」と考えている受験生がおり、それでは合格できません。
専門学校などでは、少ない人でも2~3回、多い人だと5~6回の添削を繰り返してようやく完成します。
1次試験合格発表よりも前から2次試験の対策を行うことが重要です。
面接票に基づいて質問される
面接の前に面接カードを記入して提出します。
面接官は面接カードを見て質問をします。
そのため、面接カードを書く時点で、面接で話すことを考えておかなければなりません。
面接カードに書いてあることと、面接でしゃべっている内容が矛盾しないように注意が必要です。
・[受験の動機]公務を志す理由
・[印象に残っている体験]学校生活、ボランティア活動その他での体験
・[趣味、特技など]
・[好きな学科]
・[自己PR]自分の長所について
このような項目を記入して、面接の前に提出します。
面接官が最初に出会うのは、「あなた」ではなく「あなたの面接カード」。
よく、「第一印象が大事!」と言われますが、面接試験の第一印象は面接カードです。
第一印象をよくするためにも、丁寧な文字で見やすく、美しい面接票を作りましょう。
面接票の項目には無いことも聞かれる
面接カードの項目にはないことや、面接カードに書いてあること以外のことも聞かれます。
そのため、様々な角度から質問を想定することが大事。
面接カードの項目になくても、公務員試験でよく聞かれる定番の質問は対策しておきましょう。
質問例
過去に実際の面接で聞かれた質問は以下。
- なぜ公務員になろうと思ったのか?
- なぜ国家公務員を選んだのか?
- 民間企業と公務員の違いは?
- 公務員を目指したきっかけは?
- 民間企業や大学進学は考えなかったか?
- 自分が公務員に向いているところは?
- 学校生活で力を入れたことは?
- 苦手な勉強をどう乗り越えたか?
- 今までに1番力を入れたことは?
「なぜ民間ではなく公務員なのか?」
「公務員の中でも地方公務員ではなく国家公務員を志望するのはなぜか?」
これらの回答は必ず考えておく必要があります。
インターネットや受験情報誌にはこのような過去の質問例が載っていますが、その回答だけを考えても不十分です。
公務員試験の面接では、回答したことについてさらに深堀した質問を繰り返す方式の『コンピテンシー評価型面接』が用いられています。
例えば、このような感じ
- 生徒会長をやっていたとの事なんですけど、一番苦労したことはどんなことですか?
-
文化祭の計画をしたときに、実施を反対する生徒がいて揉めてしまったことです。
- それはどうやって乗り越えましたか?
-
クラスごとに話合いをしてもらった後に、各クラスの代表者を集めてそれぞれのクラスの意見をまとめました。その意見に基づいて、反対する人たちには文化祭を実施する理由の説明と妥協案の提案をして交渉しました。その結果、反対していた人たちからも納得していただき、無事に文化祭を実施できました。
- なぜ、生徒会長をやろうと思ったんですか?
-
先生方からの推薦があり、私自身も学校をより良くしていきたいと思い、生徒会長をやりました。
- 実際に生徒会長をやってみてどうでしたか?
-
人にはそれぞれの考え方があり、自分の考えはその中の一つに過ぎないことを学べました。生徒会長になった当初は、リーダーシップを発揮して周りを引っ張っていかなければならないと思い、自分だけで考えて指示を出して物事を進めていました。その時は、生徒会メンバーとの対立が絶えませんでした。生徒会メンバーの一人ひとりとじっくり話をしてみた結果、自分とは異なる考え方をしていたことが分かりました。その後は、自分だけの考えではなく、一人ひとりの考え方を尊重することで、生徒会がまとまるようになりました。
深堀した質問に対応できるような面接練習が必要です。
『コンピテンシー評価型面接』の詳しい情報はこちらの記事⇩
身だしなみも大事
面接で話す内容も大事ですが、見た目も大切。
心理学の研究では、面接官は無意識に受験者の見た目に影響されていることが明らかになっています。
面接官自は「話の内容で評価した」と思っていても、面接官本人も気づかずに見た目で評価している部分があるんです。
服装については、高校生は制服、それ以外の人はスーツで大丈夫です。制服が無い高校の方もスーツで面接に臨みましょう。
面接官は皆さんが思っているよりも、受験生を見ています。靴下、爪も気を付けましょう。
公務員になるのにふさわしい容姿で面接を受けることが大切です。
言葉遣いにも気を付ける
言葉遣いも重要。
受験生がよく間違えるのは以下の3つ。
「一人称の呼び方」、「敬語の使い方」、「略語」はの3つは特に注意!
✕僕は~、自分は~ | 【一人称の呼び方】〇私は~、 | 【一人称の呼び方】
✕先生が申し上げた・・・ | 【敬語】〇先生がおっしゃった・・・ | 【敬語】
✕バイト ✕部活 ✕スマホ | 【略語】〇アルバイト 〇部活動 〇スマートフォン | 【略語】
話の内容がよくても、言葉遣いが乱れていると印象がよくありません。
普段から学校の先生や目上の方と話をするときには、言葉遣いに気を付けてみましょう。
合格後のプロセス
合格後のプロセスには、個別業務説明会への参加、採用官庁からの採用面接の呼び出し、そして最終的な採用決定が含まれます。
個別業務説明会は1次試験の合格発表後すぐに始まるため、事前の準備が重要です
採用までの流れは大きく分けて、➀ホームページ等による情報収集、②採用試験、③志望官庁の採用面接を経て採用、の3つ。
「最終合格=採用」ではない
「最終合格=採用」ではないので注意!
第2次試験に合格して最終合格しても、それだけでは採用とはなりません。
志望官庁の採用面接を受けて採用の内定を得る必要があります。
希望する官庁の採用情報を確認した上で、採用面接を受けなければなりません。
面接は合計2回
面接は合計2回受けるということですか?
そういいうことです!
採用までには、「人事院の面接」と「志望官庁の採用面接」の2回受ける必要があります。
採用までの面接は、「人事院の面接」と「志望官庁の採用面接」の2回。
「人事院の面接」は受験案内に載っている、第二次試験の日程で行われる面接です。例年、10月中旬~下旬にかけて行われます。
「志望官庁の採用面接」は厚生労働省、国土交通省、検察庁などの各省庁ごとの面接です。
国家一般職(高卒程度)では、1次試験合格発表の直後に業務説明会の申込が始まるのですが、このことを知らない受験生が多いです。
詳しくはこちらの記事↓