私の長所はコミュニケーション能力です。
面接票の添削や面接練習をすると、長所や自己PRで「コミュニケーション能力」を挙げる人が毎年何人かいます。
高卒公務員試験では 「コミュニケーション能力」 という言葉は使わない方がいいです。
コミュニケーション能力自体は大事ですし、それを持っていることは素晴らしいです。
では、なぜ使わない方がいいのか、その理由と対策を解説します。
高卒公務員指導歴10年以上、心理学の国家資格『公認心理師』を持つ僕が解説します!
X(Twitter)しん@元・専門学校の公務員科教員
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「コミュニケーション能力」って何ですか?
コミュニケーション能力ってなんですか?
誰とでも仲良くなって、初対面の人でもお話することができることだと思います。
それは「社交性が高い」とはどう違うんでしょうか?
それとも、「コミュニケーション能力」と「社交性が高い」は同じ?
・・・
よくわからずに使っている
「コミュニケーション能力」 という言葉は使わない方がいい 理由は、受験生のほとんどが「コミュニケーション能力」が何なのかをよく理解せずに使っているからです。
コトバンクでコミュニケーションを調べると、以下のような説明になっています。
伝達・通信・交信など,情報が伝えられることをコミュニケーションという。そのうち対人コミュニケーションとは,人と人とをなんらかの心的メッセージを送受して結ぶことである。心理学が対象とするコミュニケーションは,この対人コミュニケーションに尽きるといって良く,互いの意図や感情の伝達が言語を介して行なわれるものを言語コミュニケーション,言語以外の手がかりを用いて行なわれるものを非言語コミュニケーションとよぶ。
引用コトバンクhttps://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-66186
なんだか難しくてよくわからないですよね?
まとめると、以下のようになります。
- コミュニケーションとは情報のやり取り。
- 話すだけでなく、文書、電話、メール、プレゼンテーションなども含まれる。
- 言語だけとは限らない。非言語的なメッセージもある。
コミュニケーションって難しそうですね?
- 高卒公務員試験の受験生が、文書で正確なやり取りができるでしょうか?
- 大勢の前でプレゼンテーションして情報を伝えれられるでしょうか?
- 言葉に現れない相手のメッセージを的確に汲み取ることができるでしょうか?
これは、経験豊富な社会人でもかなり難しいことだと思います。
それが、受験生が「コミュニケーション能力があります」と言ったら、社会人の大先輩の面接官はどう感じるでしょうか?
ぼんやりとしたイメージでよく理解していない言葉を使うと、かなり突っ込まれて質問されます。
よく理解していない言葉を安易に使うのは危険です!
毎年、受験者の中で「コミュニケーション」を言う人がいる
面接指導では、毎年1人は「コミュニケーション能力」を言う人がいます。
私の正直な感想は、「う~ん・・・、またか・・・」となります。
何となくのイメージ(明るい、だれとでも仲良くなれる、初対面でも話せる、など)で、何となくウケそうな言葉だから使ってしまいがち。
この人は、プレゼンテーションもちゃんとできるんだろうか?
その前に、コミュニケーションの意味をちゃんと分かってるのかな?
言葉の意味をよく考えずに安易に使ってないかな?
「コミュニケーション」という言葉が出てくると、こんな風に考えてしまいます。
こんな感想になるのは、面接官もおそらく同じだと思います。
実際、税務職員の面接試験で受験者全員に以下のような質問がされました。
「あなたにとってコミュニケーション能力とは何ですか?」
これは辞書的な定義を暗記していて、それを答えろというものではありません。
「自分が使っている言葉を普段から考えていますか?」ということです。
実際、辞書的な意味とは異なっていても、自分なりのコミュニケーションについての考えを述べた人が合格しています。
毎年多くの人が同じように「コミュニケーション能力」と言うのを聞いていると、面接官にとってはとても陳腐な表現に聞こえます。
「自分で考えたことなの?誰かの受け売りじゃない?」とツッコミたくなりますよね?
対策
もう一歩深く、具体的に考えてみよう
「コミュニケーション能力」と表現したいところを、もう一歩深く具体的に表現することで、いい自己PR・長所になります。
- 相手に分かりやすく伝えることができる。
- 相手の話を丁寧に聞くことができる。
- 相手に合わせて話方を工夫することができる。
- 誰とでも笑顔で接することができる。
そもそも、コミュニケーションにピッタリ当てはまる日本語が無いので、「コミュニケーション」と言われても私たちはいまいちピンとこないのです。
上記の例のように、「コミュニケーション能力」という言葉を使わないで表現することで、具体的でわかりやすい自己PR、長所になります。
具体的なエピソードも準備
面接試験では、具体的なエピソードが聞かれます。
自己PR、長所は言うだけならなんとでも言えます。
面接官としては「その長所は本当なの?」「自己PRで言ってた能力はどの程度なの?」と気になりますよね。
面接官は自己PRや長所が本当かどうか、どうやって確かめるのでしょうか?
答えは「具体的なエピソードを聞く」です。
「その長所はどんなときに役に立ちましたか?」
「わかりやすく説明するためにどんな工夫をしましたか?」
「相手に分かりやすく伝えることでできるのが、私の長所です。」と言う人は、実際に何か分かりやすく伝えた経験があるはずですよね?
具体的なエピソードを語れることは大事!
具体的なエピソードは、長所や自己PRで挙げた能力があることの証拠です。
長所を発揮したエピソードを語ることで、本当にその能力があることを示せます。
まとめ
- 受験生のほとんどが「コミュニケーション能力」が何なのかをよく理解せずに使っている
- よく理解していない言葉を安易に使うのは危険。
- 面接で「コミュニケーション能力」を言う人は多い。
- 面接官にとってはとても陳腐な表現に聞こえる。
- もう一歩深く具体的に表現することで、いい自己PR・長所になる。
- 具体的なエピソードを語れるように準備。